ナムラブログ

古典占星術とか世相とかについて思ったまま書き綴る南村悠介の雑記ブログ

自分で考えるということ

先日、ちょっと調べたいことがあって某国の国立天文台のウェブサイトを開きました。

う~ん、ここのサイトを見るのは何年ぶりだったでしょう。

昔はもっと素朴な感じのサイトだったのに、久しぶりに見てみると何だか都会っぽくなったように感じました。

 

 

で、その某国の国立天文台についてですが、私にはちょっとした思い出があります。

国名を書いてしまうと先方に迷惑がかかる可能性があるので、あえて“某国”にしておきますね。

 

 

前にも一度書いたことがあると思いますが、私は最初、現代占星術から入って後に古典占星術に“移籍”した人間です。

(古典占星術をやっている方の大部分がそうだと思いますが)

 

それで古典の世界に来てクリスチャン・アストロロジーを読んだ時、そこで初めてロング・アセンションのサインとショート・アセンションのサインという概念を知ったわけです。

 

 

これについては私が書いた『クリスチャン・アストロロジー第1部だけでも熟読してみませんか?』(タイトル長くてスミマセン)をお読みいただいた方ならご存じだと思います。

 

つまり、

黄道上にある12個のサインがアセンダントを通過するのにかかる時間の長さはそれぞれ違う、

という事実です。

 

現代占星術をやっていた時、いくつかの文献に

「12個のサインはいずれもアセンダントを2時間かけて通過する」

と書いてあったと記憶しています。

 

しかし、CAには

「そんなことないよ」

と書いてある。

 

いったいどういうことだ!?

 

そこで私はネット内の占星術関係のサイトを片っ端から検索しました。

でも、私が納得できる説明をしているサイトは皆無でした。

 

さらに海外の英語で書かれたサイトも片っ端から見ていきました。

やはり納得のいく説明はありません。

 

海外の記事の場合、一応、ロングとショートの違いについて触れているものはありました。

しかしなぜそうなるかについての説明はきわめて“あやふや”でした。

おそらくどの筆者も“わかったふり”をして書いているだけだと感じました。

 

 

その時、私はその某国の国立天文台のサイトを思い出したのです。

なぜなら当時、そこのウェブサイトには質問コーナーのようなものがあったからです。

 

そのウェブサイトには次のようなことが書かれてありました。

 

天文学について何か知りたいことがあったらこちらまで電話してください。

スタッフがお答えします」

 

とあって、その電話番号が書いてあり、

さらに

 

「電話では解答が難しいご質問の場合、後日、メールでご返事することもあります」

 

といったことも書いてあったと記憶しています。

実に親切な人たちですよね。

 

 

それで、私はさっそく電話をかけました。

そして電話に出たスタッフに

「ちょっと天文学のことで質問があるのですが・・・」

と言うと、

「はい、どのようなご質問でしょう?」

と返してくれました。

 

しかし、ロング・アセンションとかショート・アセンションと言ってもたぶんわからないと思いました。

そこで私なりに質問の仕方を考え、次のように聞きました。

 

「地球は24時間で1回自転しているので、言い換えれば黄道も24時間で地球の周りを1回転しているわけですよね」

「そうですね」とそのスタッフ。

 

「で、かりにその黄道を12等分したとします。

つまり、その1区間というのは占星術で言うところの星座に当たるわけですが・・・」

 

ここまで私が言った時、その某国の国立天文台のスタッフがいきなり私の質問をさえぎりました。

「えっとですねぇ、ここは天文学を扱うところであって、“星占い”はやってないんですよ」

 

は? 星占い?

と思ったのですが、私はすぐに気を取り直して質問を続けました。

 

「いえいえ、占いの質問ではありません。

黄道を12等分すると、その1区間占星術でいう星座に当たるという話をしただけです。

私がお聞きしたいのは、あくまでも天文学に関することです」

 

こう言って、私は質問を続けました。

 

「12等分したうちの各区間は2時間おきに地平線を通過すると思っていました。

でも、どうやら各区間が地平線を通過する時間の長さはそれぞれ違うそうですね。

なぜ、こういった現象が起こるのでしょうか?」

と、だいたいこんな感じで聞きました。

 

するとそのスタッフは

「そりゃ、当然でしょう。

黄道は傾いていますから」

 

で、私は

「はい、23.4度傾いていますよね。

でも、だったらなぜ、それぞれの区間が地平線を通過する時間が・・・」

 

と言っている最中に、その某国の国立天文台のスタッフは

「とにかく、そういう“星占い”の質問はよそでしてもらえませんか」

と半分キレかかったような声で言ってきました。

 

もう、こうなったらこれ以上は聞けません。

「わかりました。お忙しいところありがとうございます」

と言って私は電話を置きました。

 

 

さて、困った…。

なぜロング・アセンションとショート・アセンションの違いが出てくるのだろう・・・。

 

半日ほど思案した後、私は問題解決のための名案を思いついたんですね。

そうだ、バカだなあ、、、

なんで今まで思いつかなかったんだろう!

 

その時、私が思いついた名案とは何だったと思いますか?

 

まあ、ちょっとアホみたいな話で申し訳ないのですが、それは

 

自分で考える

 

ということでした。

 

自分で考えればいいじゃないか!

 

そう気づいた私はさっそく紙とペンを取り出し、宇宙のイメージ図を書きながら、さらに頭の中で地球と黄道をグルグル回してみました。

 

すると、わかりました。

考え始めてほんの数十分くらいで謎が解けました。

な-んだ、考えてみれば簡単じゃないか。

 

しかし、簡単だと思ったのはそこまででした。

それはあくまでも私が自分の頭の中でわかったことです。

それを人に言葉で説明するのは容易ではないと気づきました。

 

そこで、それを何とか人にわかるような装置を作りたいと思いました。

そして何日間かかけて考案したのが『クリスチャン・アストロロジー第1部~』の中巻に載せておいた黄道模型です。

 

その後、その模型はYouTubeにもあげています。

それについては以前、このブログの記事内でもご紹介したことがあります。

↓こちらです。

 

namurax.hatenablog.com 

 私が作った動画は2本あって、いずれも25分くらいあります。

長すぎるせいか、最後までキチンと見てくださる方は少ないようです。

(残念!)

ちゃんと見てもらったらすごく有益だと思うのですが・・・。

 

 

 

さて、それから何ヶ月後か何年後かはわかりませんが、くだんの某国の国立天文台のウェブサイトから質問コーナーが消えてしまいました。

もしかしたら、日本全国から私のようなスタッフ泣かせ(?)の質問が集まるようになったからでしょうか・・・。

 

しかし今にして思えば、あの時、あの“つれない”スタッフが電話に出てくれたおかげで私は大切な気づきを得ることができました。

 

わからない時は「自分で考えてみる」ということ。

 

アホみたいなことですが、すぐ人に聞くクセがあった私にとってはたいへん大きな“気づき”でした。

今となっては感謝しかありません。