クリスチャン・アストロロジー第1部だけでも熟読してみませんか?
南村悠介です。先日の記事ですでにお伝えしましたが、9月に出版した電子書籍のタイトルを変更しました。それにともない表紙も変わりましたので、旧版をご購入いただいた方で表紙のアップデートをご希望される場合は前回の記事をご覧ください。
それで今回の記事では「なぜ、本のタイトルを変更したか」を書いておきたいと思います。
まず第1の理由は「口に出して言いにくいから」です。
『クリスチャン・アストロロジー 第1部 古典占星術 基礎編 翻訳と詳しい解説 上巻』
人に「本を出したよ」と言って、「何て本?」と聞かれた場合、「ええっとぉ・・・」と口ごもってしまうのです。
書いた本人がぱっと思い出せないようなタイトルを、他人様が覚えられるわけないですよね。そこで覚えやすいタイトルにしようと思ったのです。
もう1つの理由については少しばかり説明が必要です。ここ数年、日本でも古典占星術に関する書籍や翻訳書が次々と発刊されるようになってきて、ちょっとした古典占星術ブームのようなものが起きています。しかしその一方で、占星術ファンの心の中から古典占星術に対する興味が早くも去りつつあるのを感じるのです。
ベールを脱ぐまで興味津々だったのに、いったん素顔を見てしまうと(実際にはチラ見しただけで、会話も十分にはかわしていないのに)ああ、こんなものか…と去って行く、そんな感じではないでしょうか。
ともあれ、いったん古典ブームが吹き荒れた占星術界も、そのブームが去った後は再びモダン中心の平和な世界に戻るでしょう。そして古典占星術家はまた以前のように地下の書斎に降り、1人黙々と研究に没頭する…。
と、そこまで思いをめぐらせた時、私は自分がなぜクリスチャン・アストロロジーの第1部だけに980個もの訳注を付けて出版しようとしたか、その目的を思い出したのです。
私は古典占星術を学ぶのにクリスチャン・アストロロジーは必読書だとは思いません。もし、他にもっと適当な入門書があるなら、そちらを読んだ方がよい、と思っています。
ところがその一方で、クリスチャン・アストロロジーを必読書と考える人たちもいます。しかし苦痛に耐えて800ページもある昔の書物を読んだとしても(たとえそれが翻訳されたものであれ)、ただ単に苦痛に耐えた思い出だけが残るなら、その人はたぶん古典占星術が大嫌いな人間になってしまうと思います。これは子どもの頃、ムリヤリ勉強をさせられて、勉強嫌いになってしまう人と同じ構図です。
そこで私は「クリスチャン・アストロロジーを最後まですべて読み通す必要はない。そのかわり、第1部だけでもちゃんと読めば、これ以上の入門書は他にないのだ」ということをお知らせしたくてこのような本にしたのです。
それを思い出し、再度、考え直したタイトルが
『クリスチャン・アストロロジー第1部だけでも熟読してみませんか?』
というわけです。