ナムラブログ

古典占星術とか世相とかについて思ったまま書き綴る南村悠介の雑記ブログ

オリビア・バークレーの本

 今、日本列島は観測史上稀に見る巨大な台風に遭遇しています。かりに避難する必要がない人であっても、こういう日は雨戸を閉めて、部屋の中で読書するくらいしかやることはありません。そこで今回は読書について書いてみたいと思います。

 

 前回の記事で、「お薦めできそうな本を紹介したい」と書きました。そこで今回、その推薦本について書きます。

 

 前にも書いたように、私は古典占星術を独学しようとし、いきなり『クリスチャン・アストロロジー』を購入したのですが全く理解できず、あっという間に挫折しました。

 「こりゃ、最初からハードルが高すぎたようだ」と考え、それ以前の入門書を探しました。そして手にしたのがオリビアバークレー氏が書いた『HORARY ASTROLOGY REDISCOVERED』です。

 

 バークレーさんというのは博物館に眠っていた『クリスチャン・アストロロジー』を発見して世に出した人として有名だそうです。ただ、私はそこらへんの経緯は興味ないので、詳細を知りたい方は他の人の記事をあたってください。

 

 『HORARY ASTROLOGY REDISCOVERED』は言うなれば『クリスチャン・アストロロジーへの手引き』といった内容の本です。リリーが著書の中で述べている占星術理論に準拠しながら自分自身の考え方も紹介しています。また、バークレーさん自身の占例もいくつか載せていらっしゃいます。

 今現在のところ、私はこの本の内容すべてに賛成しているわけではありません。「ちょっとここおかしいのじゃないの?」と思える部分もあります。しかし古典占星術を学ぶ場合、最初に読む本としては「かなりの良書」だと思います。

 

 さて、まず基本を…と考えた私はこの本を4回通読しました。1回読むのさえ大変なのに、よく4回も読むもんだ、とお思いになるかもしれません。しかしそれは逆です。

 

 確かに最初に読んだ時は骨が折れました。知らない言葉もたくさん出てくるし、それに何より著者の文体というか、書きグセに慣れるのに時間がかかるんですね。それで1回目の時は読み終えるのに数か月かかった記憶があります。

 しかし2回目読む時には最初の2分の1くらいの日数で読めます。そして3回目の時にはさらに短い期間で読めます。そして4回目の時はもうだいたい内容が頭に入っているので1週間くらいで読み終えました。

 

 私の読書というのは、いつもだいたいこんな感じです。1冊の本を何度も繰り返し読む、というスタイルです。そう言えば昔から受験勉強とか資格試験の勉強の時もそうやっていました。教科書、もしくは「これ!」と決めた参考書だけを7回とか10回くらい通読するという方法です。

 

 結局、このやり方が一番効率がよい、ということで実践しているのですが、もう1つの理由を言えば、本を何冊も買うお金がないということも事実です。

 お金がないおかげで、多読はできないかわりに1冊をボロボロになるまで読む。実にカッコ悪い勉強方法に見えるかもしれませんが、案外、この方法は力が付きます。

 

 同じ本を何度読んだって、しょせんその本の内容以上に知識は付かないだろう、という人もいるでしょう。しかし実際はそうではありません。1回より2回、2回より3回、3回より4回・・・と繰り返し読んでいくうちに、1回読んだだけでは気づかなかった「行間の文字」が見えるようになってきます。

 そして不思議なもので、何度も繰り返し読んでいるうちに、やがてその1冊が自分の頭の中で万巻の書に匹敵するくらいの広がり、深さを持つようになってくるのです。

 

 本というのは情報をインプットするためのツールなのですが、インプットした情報を自分の中でどれだけ「深化」させていくかが本当は大事かもしれません。私の場合、その方法が「何度も読む」ということでした。

 

 話を戻すと、私はバークレーさんの本を自分の中である程度「深化」させることができたため、その後、『クリスチャン・アストロロジー』を読むのがすごくラクになりました。1回読んだだけで終わっていたら、おそらく『クリスチャン・アストロロジー』の壁は高すぎて、読み進めることはできなかったでしょう。また、1冊だけを徹底的に読んだおかげで他の著者の本も割とラクに読めるようになりました。

 もちろん価値のない本を何度読んでも仕方ないのですが、少なくともバークレーさんの本は繰り返し読む価値があると思います。

 

 先頃、私が出した本も読者の皆さんに何回も読み返してもらえるような本であって欲しいと願っています。