一部世帯に30万円給付か、全国民に1人10万円給付か？

またもやコロナネタですが、今、政界では国民への給付金の支給方法をめぐって意見が分かれています。

政府はすでに一部世帯への30万円給付を決めたところです。

それに対し、自民党幹事長は上述の30万円に加えて1人10万円を給付すべしと主張。

また、野党は「そもそも一部世帯だけに30万円の給付では国民は納得しない。それはやめて、全国民1人ずつに10万円給付すべきだ」と。そして、何だかこの野党案がやけに勢いづいているような感じがします。

う～ん…、しかしなぜ、この期に及んで議論をこね回す必要があるのでしょうか。私としては、やはりきっちりとルールを決めた上で一部世帯に30万円給付でよいと思います。

全員に10万円配るというのはいったいどういう意味があるのでしょうか。

当面、お金に困っていない人なら、10万円もらったって今使おうとはしないでしょう。

しかし、当面のお金に困っている人の場合、たかだか10万円もらったって、たいしてありがたくもない。焼け石に水だと思います。

大切なことは経済を回すこと。貯金する余裕もなく、もらったお金をすぐに使わざるを得ない世帯へとりあえず30万円を出すことの方が経済対策としては意味があります。

お金持ちに今「10万円×家族人数」だけお金を配っても、そのお金は回りません。こういうと意外に思う人がいらっしゃるかもしれませんが、実はお金持ちってあまりお金を使わないんですよね。まあ、だからこそ金がたまってお金持ちになったわけなんですけれど。

お金をより有効に回そうと考えるなら、金持ち世帯に配る「10万円×家族人数」をお金をもっていない世帯にまわすべきです。つまり、お金をもっていない世帯に30万円を何回でも給付すればよいのです。結果的に、そのお金はお金持ちに配るよりずっと効率的に世の中を駆け巡ることとなります。

それと今、日本では一人住まいの人がとても多い。特に都市部だとその傾向が顕著です。都会に一人住まいだと、持ち家に住んでいる確率はとても低い。10万円だけもらったって、だいたいは一か月分の家賃で消える。
これでいったい、経済の何が回るというのか。


お金を使わない人、使う必要のない人にお金を給付してはいけません。
お金を使わざるを得ない人にこそ、お金を配るべきです。

人間の行動パターンについてしっかりと洞察を加えて欲しいと思います。