パート・オブ・フォーチュンの正体(1)
前々回の記事、そして前回の記事で太陽と月について書きました。
ちょっと間が空きましたが、今回はその続きです。
さて、前回のテーマは何だったかというと、
「太陽はスピリット、月はソウル」というものです。
前回、このフレーズから
「もしかしてパート・オブ・フォーチュンの話?」
と思った人はめちゃくちゃ鋭いかもしれません。
しかし、ここに1つ、違和感のある言葉が入っている。
それがソウル(Soul)です。
少しおさらいしておくと、
Soul(魂)ってのはBody(肉体)の反対語でもありますが、「反対」ってことはこの場合、表裏一体になっているという意味です。
でもここで大切なのは「表裏」という違いではありません。
むしろSoulとBodyとは「一体」になっている、という部分に着目するべきです。
一方、スピリット(Spirit)の方は遙か天上界のかなたからスルスルと地上に降り注いできた感があって、これは物質よりもずっと波動が高くて目の細かいエネルギーだ、みたいなことを説明しました。
(前回も断りを入れましたが、この場合の「波動」は物理学用語ではありません)
だからSoulの反対語はBodyではなく、本来はSpiritではないのか、という解釈が成り立つということです。
で、ここからが今日の話です。
占星術をやっている人の中にはパート・オブ・フォーチュン(PoF)という指標が割と役に立つと感じている人が多いでしょう。
これは古典派、現代派を問わずです。
そして私もまた同じです。
で、理屈はともあれ、先にそのPoFの求め方を載せておきますね。
拙著『クリスチャン・アストロロジー第1部だけでも熟読してみませんか?(下巻)』の第21章訳注25にも書いておきましたが、今回はその簡易版的な説明です。
求め方はめちゃくちゃカンタンです。
ここでは例として次のような状況を考えてみましょう。
とりあえず、わかりやすい度数にしておきました。
そこでまず、太陽と月の間の角度、下の図で言えば緑色の扇形の中心角を(だいたいでいいから)覚えます。
この場合は「わかりやすい度数」なので60度だとすぐわかりますけど、すぐに計算できない場合は本当に「だいたい」でいいです。
次に、緑色の扇形の形を保ったまま回転させます。
そして太陽をアセンダントの位置に持ってきます。
その時、月が来るはずだった位置がPoFです。
この例だと水瓶座10度がPoFです。
カンタンですよね!
私はいつもこういうふうに目分量でやっています。
しかし、もしPoFの位置が例の「5度ルール」に引っかかりそうな場合は細かいところだけ計算する、というかメモリを数えます。
「ひい、ふう、みい、よお・・・」って感じで。
基本的にPoFは「どこのハウスにあるか?」が問題なので、「5度ルール」を考える時以外は「だいたいでよい」と思っています。
この図ではPoFはおそらく第2ハウスか第3ハウスでしょうね。
で、もう1つ求め方があります。
今、上に説明した方法はPoFのオーソドックスな求め方です。
でも、他にもう1つあります。
上のやり方は
「太陽をアセンダントに置いてみる」
という方法でした。
しかしこれとは別に
「月をアセンダントに置いてみる」
というやり方があります。
それが下の図のやり方です。
つまり、月をアセンダントに置いた場合の太陽の位置を見ます。
この場合だと天秤座10度ですね。
そしてこの位置がどのハウスになるかを調べます。
この図だとPoFはおそらく第10ハウスか第11ハウスあたりでしょう。
で、どっちの方法を使えばいいの?
方法①「太陽をアセンダントに置いた場合の月の位置」
方法②「月をアセンダントに置いた場合の太陽の位置」
どちらの方法を使えばよいのでしょうか。
ウィリアム・リリーは方法①を使っています。
しかし『クリスチャン・アストロロジー』の第2部では方法②についてもさらっと説明されています。
否定はしていないんですね。
そして、その使い分けは以下のようにすると書かれています。
- 昼に生まれた人は方法①を使う
- 夜に生まれた人は方法②を使う
リリー自身は昼生まれだろうが夜生まれだろうが、方法①で統一しています。
しかし「昼夜で分ける方法を使いたいならどうぞ」って感じで説明しているということです。
で、結局、PoFはどっちのやり方でいくの?ってことですが、私自身は方法①も②も両方見ます。
昔と今とでは昼と夜の境界というのが曖昧だし、それに社会構造が複雑になり過ぎています。
「どっちにする」と決めるより、両方見た方がいいと思うし、実際、参考になります。
でも、この方法①と方法②のそれぞれから求められるPoFの意味には微妙な違いがあるように思うんですね。
そこのところを説明したかったのですが、ちょっと長くなってしまいました。
そこで今回はいったんここで終わります。
続きはまた次回です。
(次回の記事はすぐに書くつもりです)