ナムラブログ

古典占星術とか世相とかについて思ったまま書き綴る南村悠介の雑記ブログ

占星術師たちが自分の生年月日を公開する理由。

一般的に占い師は自分のプライベートを公開しないものだと思っています。
それは私生活を公開しないという意味もあるのですが、特に自分自身の「占いデータ」については完全非公開というのが普通じゃないかな、と思うんです。

 

この「占いデータ」とは何かというと、たとえば手相家であれば自分の手相ですね。
たとえば講習会とかでなら手相家の方も自分の手相を生徒に見せるかもしれません。
でも、自分が執筆した手相書に自身の手相の写真を掲載している手相家はいないんじゃないかな。
少なくとも私はそういう手相書を見かけたことがありません。

 

観相家の場合、さすがに他人に自分の顔や背格好、服装などを見せずに占うことはできないので、そのかわり自分の外見にめちゃくちゃ気を使っている人はたくさんいますよね。

たとえば男性の観相家であってもお肌の手入れは欠かさない、ネイルサロンに頻繁に行くなど、尋常とは思えないくらい自分の外観に気を使っています。
そうして自分自身の外見に隙を見せないようにしているのでしょう。

 

これって、なぜかというと、自分のデータを他人に知られることは非常にマズイという認識があるからなんですね。

ちょっと話が変わるけど、昔の中国の軍師、つまり戦争時に戦略や戦術を考える人のことですが、彼らは自分の本名が絶対に敵軍にバレないように、わざと偽名を使っていたそうです。

なぜなら自分の本名がバレると姓名判断から自分の性格や考え方が敵軍の軍師にわかってしまう。
すると、「ああ、こういう性格をしているから、たぶんこういう場合はこういう作戦を立てるだろう」と敵の軍師に悟られてしまうからです。

 

これが占い師の場合、自分のデータがネット上に出回ってしまうと、たとえばその占い師の運気が下がる時期などもわかってしまうわけですよね。

となると、その占い師の運気が下がる時期にわざわざその占い師のところへ相談に行く人なんていなくなるでしょう。

他にもたとえばその占い師の不得意分野がわかってしまったら、「その内容ならあの占い師には相談しない方がいいよ」なんて情報まで出回ってしまいます。

 

ちなみに先ほどの観相家の場合、もし自分の顔色が悪かったり貧相だったりすると客が減るから自分の外観には気を使っているわけです。
自分の外観に関しては努力と金(?)しだいで、ある程度は調節できますからね。

 

さてさて、そこで占星術師の場合なんですけど、非常に不思議なんですが占星術の世界ではなぜか自分の生年月日を公表している人がたくさんいます。

ほとんど自己紹介がてら「昭和●年●月●日午前△時△分□□市生まれ」とご丁寧に書いてくれている人が少なくありません。

海外の占星術師でも自分の生年月日を公開している人が多いですよね。

 

でも、別にそれが悪いことだと非難しているわけではありませんよ。
ウィリアム・リリーだって公開していますから。

でも、平気なのかなあ~って思うんですね。

もしかしたら自分自身のチャートによほど自信があるのかな。それとも「どうせチャートを見たってわかるわけないさ」と思っているのかな・・・。

私自身のことで言えば、自分のチャートを見られたら全部丸わかりなのでコワイんですけど・・・。

 

しかし、仲間を作るにはやはり自己紹介が必要です。
人間、誰しもよくわからない人物には近づかないものです。

占い界の中でも、占星術の世界になぜかコミュニティーが多いのは、きっとこの自分のデータを公開しあうという習慣があるからなのでしょうね。

裸の付き合いっていうやつ!?

 

そう言えば、観相家どうしのコミュニティーとか、手相家どうしのコミュニティーとか、あまりネット上で見かけたことがありませんので。

逆に言えば、占星術をやっている人たちが自分のデータを公開しあうというのは、それによって仲間を増やしたいからなのかもしれません。

 

・・・と、ここまで考えた時、ああそうか、だから占星術なんだと思いました。

つまり天体とか星というものに心が惹かれるということは、個々人の引力を使って他者との関係性を構築したいという欲求と同一線上にあると気づいたのです。
なぜなら占星術は天体と天体の関係性から未来を読み取る技術だからです。

そして、もともとそういう志向性を持っている人が占星術に惹かれ、勉強を始めるのでしょう。

 

ところで私自身について言えば、自分の生年月日等はやはり公開しません。
聞かれても答えません。